就活生向けに電通について過去数回、記してきました。
※参考↓
電通とはどんな会社で、何をしている会社なのか
電通がブラック企業と言われている真の理由

いずれもクライアントサイドからの視点で書いていますので
電通と取引をしたことも無い人が書いている内容とは
根本から異なり、沢山の方々に読んでいただいているようです。

今回は、世に言う「電通タブー」や都市伝説としてよく聞かれる、
「電通が裏で日本を操っている」という言説について、
私が直接知っている情報を書いていこうと思います。

結論からまず書いてしまいますと、
「電通が裏で日本を操っている」という話は、一部本当で、大部分が嘘です。
ほとんど嘘のような話でも、ほんの少しでも本当のことが入ると
急にそれっぽく聞こえてくるもので、まさにこの言説には
その法則が当てはまっていると捉えてください。
フィクションの小説や漫画でも、史実が入ると
抜群に面白くなりますよね、まさにその感覚なのです。

では、早速その真相に迫ってみましょう。
まずは嘘の部分について書いてしまいます。

これは、実はもう前回の記事、
電通とはどんな会社で、何をしている会社なのか」で
書いた通りなのです。

電通という会社はこれ以上でも以下でも無い、というのが全てです。
従って、電通による鶴の一声で日本の政治が変わったりとか、
世論が激変するとか、そのようなことはまずあり得ません。
そういうことを言っている人がいるとしたら、社会を知らないお子様です。

では、一体なぜこのような言説が世間に流布しているのか。
そこには、次のような本当の話があるからです。

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前回も書いた通り、電通という会社の仕事は
もはやプロモーション領域だけではなく、
クライアント企業のマーケティング領域全てに跨がっています。

マーケティングと一口に言ってもざっくりすぎますが、
要するに経営そのものと言い換えても良いかもしれません。
クライアントの経営戦略を作るのも電通の仕事です。

これは特に日系企業のメーカーについて言えることですが、
意外や意外、自社内のマーケティング部門が弱いケース、多いです。
日本は伝統的に、勘でモノやサービスを作って、
営業の寝技で売って来た会社が多いんですよね。
欧米型の理論に基づいたマーケティングの重要性に気付いた企業は、
昔から最新マーケティング理論の知見を蓄積していた
電通に自社のマーケティング領域の仕事を発注するようになったのです。
そして、この状況は、日本に存在する大企業ほぼ全てに言えます。

要するに、電通という会社は日本企業の経営戦略の策定に
非常に深く関わっているのです。私の会社なんかも、
ある仕事の担当者が電通に自分が会議で話す資料作成を丸投げして、
上がって来たものでプレゼンする人、多いですし、
その資料がそのまま上層部に上がっていくケースも多い。

このようにして、悪い言い方をすれば、
電通に操られる日本企業が出来上がるのです。
日本の大企業の多くがこの状況だとすると、
電通は日本を裏で操っていると見えなくもないんですね。

さらに厄介なのが、電通のクライアントは一般企業だけでなく、
政府与党もクライアントだったりするわけなんですよね。
こうなってくると、電通が日本を裏で操っていると
言われても仕方が無い状態にも見えてきます。
実際は、政府の役人さん達が電通の提案を基に
大変な長時間残業をしながら色々と国政を動かしているとは思うのですが
構造としては同じようなことが起こりうるはずである、ということです。

これは日本だからそうですが、世界だとこの企業の経営戦略を
策定する人達というのはマッキンゼーとかの戦略コンサルになります。
この手の仕事はごく普通の課題解決業なんですが、
日本の場合は終身雇用が未だに長いために、
電通内の知見が外に流れていかない節がありますよね。
だから、何やら気味の悪い力を持った怪しい集団だと思われる。
ただ偏差値が高くて、アイデア創出力に優れた集団なだけです。
一方で世界のマッキンゼーで務めた人は、どんどん辞めて、
クライアントサイドに転職していったりする。
すると、実は凄く当たり前の課題解決業をしている、
偏差値が高くてアイデア創出力に優れた人が多い会社だ、
ということに世間一般の人は気付くことができるわけですね。

長々書いてきましたが、以上が私が直接知る限りの
「電通が日本を裏で操っている」という言説が生まれる仕組みです。

就活生の参考になれば幸いです。