最近、どこの会社でも「働き方改革」が
重要な経営戦略の一部に位置づけられている印象です。
社会人の皆様であれば誰もが巻き込まれていますよね。

私なんかはそもそもゆったりと働いていますので
やっと時代が私に追いついて来たか、
あるいはやっと会社が私に追いついて来たか、
ぐらいの感覚でいたのですが
ちょっと最近の働き方改革っぷりには違和感を覚えるのも事実です。

恐らく「妙な感覚」を覚えている方は他にもいるはずです。
それは「休んで良いんだっけ?」という、
今まで働いていた量を単純に減らすことに対する後ろめたさとか
そういうレベルのものではない、もっと根本的な部分で
違和感を覚えているのではないでしょうか?

そしてこの違和感を上手く言語化できないモヤモヤ感。

私がこのおかしな感じを覚えたのは
働いている会社に全社一律でフレックス制が導入された時と、
週休三日制の検討を始めているという噂を耳にした時です。

フレックス制はご存知の通り、勤務時間を自分で決められる制度。
コア付きやコア無しがあるのが一般的かと思いますが
私の職場ではコア無しフレックスが採用されたのです。

実は私は大きな声では言えませんが
フレックス制が導入される前の定時制の時から
自主フレックス制(=ただのサボり笑)を導入していましたので
自分自身の働き方は正直そこまで変わっていません。
変わったのは周囲の同僚達の出社時間や勤務態度です。
はっきり言って、一部の人達を除き、
誰も昔の定時の時間には出社しません。
他の企業と比べたら定時の出社時間も相当恵まれていた方だと
個人的には思っていたのですが、それでも誰も来ない。
定時制と違って月の労働時間さえ守っていれば
いつ休もうが帰ろうが自由ですので、ぱっと見、
勤務態度は皆、悪く言えば間違い無くたるみました。
要はサボりが目立つようになったのです。
(完全に自分のことは棚に上げていますが笑)

週休三日制などが導入されようものなら、
この傾向はさらに強まることは明らかです。

働き方改革を猛烈に支持する人達の中には
欧米の生産性の良さを見習うべきだ!働き方改革サイコー!
なんて言う人もいますが、世界を飛び回りながら
仕事をしている私に言わせれば、日本人なんて
全然働いていない方で、アメリカ人の方がよっぽど働いています。
karoshiが英語になっていることを恥ずべきだ、
なんてことはごもっともですが英語にだって
workaholicという言葉はちゃんと存在しているのです。
鬼のように働く海外の人、行くところにいけば多いですよ。
特にビックリするような金額を稼いでいる人ほど、ね。
まぁ、karoshiするかしないかの差は
アメリカ人と日本人の働き方のどこにあるかと言われれば
それは間違いなく仕事を「やらされている」か「やっているか」の差。
日本人でkaroshiする人は「やらされている」人なのです。
つまり本質的には働き方の差ではなく、働く気概の差なわけです。
(厳しい言い方なのは重々承知していますが恐らく大きくはずしてないかと)

ということで、そう考えてくると、
ちょっと日本の働き方改革に覚える違和感の正体が
見えて来たような気がします。

要するに、生産性を上げたり、karoshiを無くすためには
全員に決まったルールを当てはめるような一律の定量的な改革ではなく、
そもそも違って当然の働き方を持つ一人一人が
どういう制度があればもっと気概を持てるのか、
といった定性的な考え方が必要になるはずなのです。

だとすると、本来的に考慮すべきは、
その企業の生産性を高めたりkaroshiをなくすための
企業別の要素をしっかりと洗い出し、
かつそこで働く従業員の性質を見極めながら
ある程度は個別の対応が必要になる、
という仮説があって然るべきでしょう。

企業別の要素と言ったのは、
例えばGoogleで必要とされる働き方改革と、
ゴールドマンサックスで必要とされる働き方改革と、
トヨタ自動車で必要とされる働き方改革が
全て同じわけがないと、妄想ではありますが感じるからです。

まぁ、企業別とは言うものの、
大体そこで働く社員というのは以下のように
分けられるのではないでしょうか。

—-

<グローバルエリートタイプ>

仕事を自ら創り出すタイプの人材。
会社に利用されるのではなく、
自己実現や成長のために会社を利用しているという自負を持つ。
年収にして1,500万以上。

<エリートタイプ>
準備された職階を着実に歩むタイプの人材。
10に対して10で打ち返すのが得意で
正解を当てにいくのが上手い。
年収にして1,000万以上

<平凡サラリーマンタイプ>
10に対して5〜7ぐらいで返す人材。
仕事をやらされている意識があるため
10のことが来ても自分が好きなことでないと
全力投球しない。つまり仕事を選ぶ。
全力投球したとしてもせいぜい8〜9点が良いところ。
年収にして700万以上

<万年平社員タイプ>
10を聞いて10を誤るタイプの人材。
仕事をやらされている意識があり、
とにかく不平不満が出てくる上に
自分の落ち度であったとしても組織のせいにする。
年収にして400万以上
—-

上記は私の周りの人達を勝手な偏見で分けたイメージですが
改めて後付けで考えて見ると「人材市場におけるその人の価値」と
「働くことについての意識」で分類されていることが見えてきます。

グローバルエリートな感じの人達は、
働き方改革以前の問題で、そもそも自分達で
好き放題働いているケースが多いです。
結果を出しまくっているためにある程度は
会社のルールを破ることが黙認されている人達です。
正直、そんな人達にとっては働き方改革など「我関せず」でしょう。
だとするならば、この人達に準備すべき働き方の環境は、
彼ら彼女らのやり方を会社が認めて上げる、という方向性だと思います。

一方でエリートタイプは、優等生タイプですので
会社が提示するルールにはある程度のっかってくる傾向でしょう。
だとするとここで気をつけなくてはいけないのは
彼ら彼女らがある意味「ダークサイド」に落ちないような
施策を同時並行で走らせる必要があるということです。
この人達は基本的には真面目ですが、
2割ぐらいは、ゆるくなったルールにかまけて
サボり倒す層が出てくるはずなのです。
会社にとってはこの層はグローバルエリート予備軍。
しかも育てればちゃんと育ってくれるはずの層ですので
ここに対しては上位8割と下位2割に対して
きめ細かな対応を心がけるべきかと。

平凡サラリーマンタイプと万年平社員タイプは…

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基本的には働き方改革に対してはのっかり、
サボることに力を発揮する人達が増えてきます。
もともと生産性が高く無いのに、働き方改革を良いことに
さらに生産性を低くして会社全体の生産性を
悪い方向に引っ張る可能営が無いとは言い切れません。

無理矢理図にするとこんな感じでしょうか。

従業員分類

こうやって整理してみると、
やはり従業員の分類によって実施すべき
働き方改革施策はそれぞれ違ってくるように感じます。
それにも関わらず、よーし!プレミアムフライデーだ!
企業で働く日本国民のサラリーマンの皆さん、
全員同じタイミングで休んでね!!!!!!

なぁんてやるから失敗するんですよね。
国が政策をしくじるのはいつものことなので仕方ないですが
企業が自社の状況に照らして取るべき個別の対策に関しても
やはり平凡サラリーマンタイプが多い会社と
エリートタイプが多い会社では取るべき対策が違うと思うんですよね。
そう考えれば、全てのタイプの従業員が混在している企業の場合、
評価制度も併せて変えるとかしないと、
生産性は上がるどころか下がることが予測できますよね。

これは本当に勝手な偏見で申し訳ないですが、
例えば新入社員とか、まだどうしても仕事と携わる時間が短くて
仕事の技術(スキル)が身についていないような人達に対して
一律に業務時間を減らすという働き方改革が正解かというと
これは個人的には間違いなんだろうなという気もします。
今後転職していくにしても、ポータブルスキルは
身につけなくてはいけないと思います。
そしてスポーツでも芸術でもそうですが、
技術というのはやはり人より多く経験しないとだめで、
かといって量だけで良いかというとそれもダメで
経験の質も高めていかないといけない。
でも、質を高めるには圧倒的な量も必要だったりするわけで
結局今の働き方改革の進め方を色んな企業から聞いていると
若い人のスキルはどんどん無くなっていくな、と感じます。
しかも、働き方改革に甘んじて、それで良い、
つまりそこまで成長意欲ないし、みたいな若い人も実際多い。
それならそれまでで全然知ったことではないのですが
重要なのは世界を見ることかと。

資源が無い日本で、欧米や成長市場と戦う必要があるなか、
人口が減り、高齢化する日本で、働く時間を減らし、
さぁ、どうやって戦うおつもりか。

戦わない選択肢ももちろんあります。
特に平凡サラリーマンやや万年平社員タイプは
そういう発想が出てくるのが普通だと思います。
ただ、我々が今のようにのほほんと暮らし続けるには
グローバルエリートやエリートタイプが
頑張らないといけないのも厳然たる事実。
これは世の常。仕事が出来る人に仕事が集まっていく。
それが資本主義というものです。
沢山の弱者と極一部の勝ち組に分かれるわけで、
弱者が沢山生まれるということは、健全に競争が行われている、
と解釈されるのが我々が生きている世界です。

頼れるのがグローバルエリートやエリート層だけと考えた時、
その人達の生産性を落とすような改革になっていないだろうか。
みんな仲良く手をつないで生活の質が下がる、
なぁんてことに、ならなければ良いが…

(なんて、人任せじゃダメですね)