2020年東京オリンピックに向けていよいよきな臭くなってきましたね。

要するに、JOCがブラックタイディングスというコンサル会社に
支払った巨額のお金が、オリンピック開催都市を決める力を持つ
IOC理事達への賄賂に使われていて、その賄賂が効いたお陰で
東京へのオリンピック招致が成功したのではないか、という話ですね。

然もありなん、という感じがしますし、たまに取り沙汰されるのは
電通がここに関与していたのではないか、という話。
ブラックタイディングスを「招致に実績ある会社」として
IOCに紹介したのは電通である、という証言もあるようです。

ここが厄介で、世の中には「電通×SNS=炎上」という公式があり、
この公式が必ず適用されてしまうせいで、真実が見えなくなります。
かつ、先般日本でもほぼ1年遅れで出版されて話題となっている
「Factfulness」にもありましたが、どうしても人間は悪い部分を
必要以上に大きく認知してしまうという本能がありますので
真実がどんどん遠のいていくという仕組みです。
というか既にそうなっていて、色んな人が有る事無い事
好き勝手にネガティブに言い始めてますので収集つきません。
しかもネットで発信するほとんどの人達が、働いたこともなくて
ビジネスのことを知らない若い大学生だったり、学校の先生だったり、
あるいはビジネスのことを知っていても
グローバルでのスポーツビジネスのことを知らなかったり、
そもそも電通のことを知らなかったり、一番厄介なのは
スポーツに限らずグローバルでビジネスの経験がない人が多いのか、
ネットでの情報発信者も情報の受け手も今回の一連の流れを
ネガティブな方に解釈しようというバイアスがより一層働くようです。

ということで、一応クライアントサイドとしてスポーツビジネスや
電通やグローバルビジネスを多少知っている側の人間として、
今回の一連で何が起きているのか、電通を中心に、
恐らくは確度の高い白黒の推測を以下で記してみます。
ただし、私も所詮ネットの住人。嘘を書いているかもしれないし、
個人的な記憶を頼りに書き連ねるだけですので記憶違いもあるし、
書いていること自体についての検証は間違いなく不十分です。
的確に質を高めてくれる編集者もいないし仕方ないんで、
無責任で申し訳ありませんが、信じるも信じないもあなた次第です笑
所詮、推測です笑

1:改めて、電通という「普通」の会社の姿
2:グローバルスポーツビジネス
3:裏で何が起きているか
4:最後に

1:改めて、電通という「普通」の会社の姿

私はクライアントサイドとして電通と仕事をします。
従って、電通のことをイメージで語る人よりは
はるかにこの会社のことは知っている方だと自負します。
この辺りは以前、就活生向けに書いた記事もあるので
そちらの方が参考になるかもしれません。↓

とは言え上記を丸ごと参照しろというのは不親切なので
そこで書いていることを超簡単にまとめれば、
電通という会社は今のところは典型的なB to Bのクライアントビジネス。
イベントのアウトプットや企業イメージ、そして高給取りな一部の社員の
派手な仕事ぶりやプライベートでの豪遊ぶりと比べてしまえば
仕事としてはああ見えて異常なまでの真面目さと地味さ、そして普通さ。
底知れぬ存在感で日本の影の支配者というイメージは9割ぐらい嘘で、
電通の具体的な仕事を知れば極めて「普通」の会社であるということです。

ただ、電通が「普通」じゃない会社と思われている要素は確かにあって、
その源泉は恐らく「課題をアイデアで解決する」という社業そのものかと。
電通は広告代理店などと言われていますが、商社がもはや
トレーディングより投資事業を主な社業としているのと同様に、
電通は広告より課題解決を社業としていると言った方が良いかも知れません。
広告は課題解決の一手段に過ぎません。そうでないと
そもそもオリンピックの招致コンサルなどできないでしょう。
となると戦略コンサルなどと一緒じゃないかとなってきますが、
クライアントサイドとして日々感じるのは、やはりコンサルは
最後まで付き合ってくれない。結果責任を負わないのです。
ですが電通は結果責任を負う、というかクライアントから負わされます。
で、クライアントのプロジェクトが失敗すれば電通はクビです。
その時は博報堂に変えるまでです。

その意味では、やはりコンサル会社の方が賢いとは思います。
クライアントビジネスをやっていて結果責任を負わないというのは
素晴らしいリスクヘッジですからね。天才です。
まぁただ、コンサルだろうが電通だろうが、我々から見れば
そういう会社は普段から接する多くの取引先の一つに過ぎず、
まぁ、言葉悪いですが所詮、業者なんですよね。
なので、電通が世の中で言われているような謎の力など、
持ち合わせていないということは働いたことがある人の間では常識です。
実はそれを知っている人の方が世の中の多数派だとは思いますけどね。
冒頭紹介した理由のせいで、ネットの発信者だけが理解できていないことです。

でもさっき軽く指摘した結果責任を負うというのが実は
味わい深いところで、これをクライアントに負わされてしまうと、
クライアントの担当者は電通に自分の仕事を丸投げし始めます。
偏差値が低くて自分の頭で考える能力が劣る企業の担当者なんかだと、
本当に、文字通り、事業の全てを電通に丸投げしているのです。
これが、日本の企業の本当に良くないところです。
電通に日本企業は頼りすぎなのです。
コンサルビジネスだから頼るのは正当なやり方ですが、
絶対にそこは頼るべきじゃないだろう、というところまで頼って
全部丸投げしてしまうのが日本企業の典型的な姿でしょう。
グローバルな企業だと、その国の教育の影響もあるんでしょうが、
やっぱりクライアントサイドの担当者は相当自分の頭で考えるんですよね。
でも、日本だとなかなかそうはいかない。全部丸投げ。
定型的な仕事はできるけど非定型的な仕事はできないんですよね。
これはもう日本の教育がそういう仕組みなので仕方ない。
結果、クライアント担当者の仕事は上申という事務作業だけになり、
本来一番大事なはずの上申内容を考える頭脳と手足は全て電通、
なんてことが本当に起こり得ます。
これが、電通が日本を支配しているという所以です。

とんでもない。私に言わせれば、電通による支配を、
普通の企業が許してしまっているのです。
電通は社業を超愚直に遂行しているだけ。それ以上でも以下でもないでしょう。
今回のオリンピック招致のケースでも、肌感としては、上記のような
普通の企業と同じ構造だったんだろうなというのは想像に難くないです。

もう一つ電通の「普通」じゃないこととしては、社業が社業だけに、
世界中で発生する課題のほぼ全てが業務範囲ということでしょう。
思うに、電通は世の中に存在する合法的な仕事はほぼできてしまう。
そしてその守備範囲の広さゆえ、持っている人脈は異常な広さで、
その気になれば非合法な仕事すらも、ケイパビリティとしては
できてしまうだろうなとも私は思っています。
ただ、あの会社は本当に社内の人材の幅が広くて、
アイデアを考えつく天才部隊、そしてアイデアに不可欠な
論理性を極めるインテリ部隊、そしてアイデアを確実に
実行するための体力部隊、そして多様なステークホルダーを束ねる、
極めて広い人脈に対応できるコミュ力部隊が盤石に揃っているし、
当然バックオフィスも相応に強力でしょうから、
仮に非合法なことをするとしても、法律上は合法なラインで
あらゆる仕事を遂行するだろうな、というのが私の読みです。

長くなってきたので1をまとめますが、ケイパビリティが無限であり、
合法的な仕事の遂行の仕方をする普通の会社である電通は、
クライアント(JOC)の仕事を(丸投げかどうか不明だが)代行していた。

これがかなり冷静な大前提の置き方だと思います。

2:グローバルスポーツビジネス

グローバルなスポーツイベントは巨額が動きます。
あらかじめ言っておくと、スポーツは尊い。これは事実。
スポーツの力で救われる人も多いし、多くの感動を生む。
そしてそのスポーツの素晴らしさを広げるために、
競技人口を広げるために、そしてスポーツをきっかけに
人々の生活を豊かにするためにお金が必要なこともまた事実。

そこで、海外にはこのスポーツビジネスに目をつけ、
巨額を稼ぐ実に強欲な人達が結構いるんです。
私もスポーツイベントの権利を扱う海外の人物に
仕事上の関係で会ったことがありますが、実に危ない雰囲気の漂う人でした。
人を雰囲気で語ってはいけないんだけど、仕事の話をしているだけでも、
ダメだ、この人と深く付き合ってはいけない・・・
というアラートが頭のどこかでずっと響いている状態でした。

この甚だ頼りない私の個人的な経験だけで結論付けるのは
ちょっと危険極まりないんですが、スポーツビジネスの世界には
確実に強欲な人達が存在します。そしてFIFAもそうであるように、
そういう人達が要職についていることも珍しくありません。

「オリンピックを招致する」ということは、
そういう人達にロビー活動をしなくてはいけない、ということです。
しかも、ロビー活動なんてのは日本が一番下手な活動です。
どれぐらい下手かというと、最近の日韓関係が良い例です。
明らかに論理的にボロ勝ち出来るはずの韓国の言いがかりに対しても、
世界には韓国に味方している人たち、大勢います。
勝って当たり前の戦いでさえ、世界を舞台に完勝できないのが
日本のロビー活動の実力と見た方が良いでしょう。

2をまとめますと、世界は、日本ほど誠実ではなく、
手段を選ばず強欲な奴が多い。そんな奴らが、世界的イベントの
要職に就いている可能性が非常に高い。ということです。

3:裏で何が起きているか

さて、招致活動には、
どうしてもJOCとして一票が欲しい局面があったはずです。
特に最後の方は本当に競合都市と競っていた記憶があります。

グローバルな戦いで、ロビー活動をしなくてはいけない。
しかし日本はロビー活動が世界的にも最弱。
となると他の人達に頼んでロビー活動するしかない。

そこで、どんな課題でも解決してくれる電通に頼った、
というのが私の読みです。

ここからは完全に推測です。

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頼られた電通は、2で書いたような、
世界のスポーツビジネスの真の姿は知っていたと思います。
つまり、賄賂無しで招致のためのロビー活動に挑むのは
マシンガン相手に素手で戦いを挑むようなものである、と。
ただ、電通だけでなく、流石にJOCも、
そういう世界の常識については知っていたと思います。

となると、もう戦略的に取れる手段は2つしかありません。

・手を打たず、潔く他の都市に開催地を受け渡す

・世界の常識に則り、賄賂を実力者に渡す

政府の政治的な判断として、前者の手段はないんだと思います。
つまり、実質的には後者の選択肢しか現場には残されていなかった。

そこで、過去にもロビー活動で招致に成功している実績がある
コンサル会社のブラックタイディングスが浮上し、
そこを経由するのが勝率を高める最適な方法と結論付けたのでしょう。
(もちろん、それでも他の都市が日本を上回る賄賂を渡せば
 日本の負けになってしまったでしょうけど)

ただし、賄賂というのは明らかに非合法なやり方です。
ですが、コンサルティングフィーという、ビジネスの世界では
極めてありふれた費目でコンサル会社に支払うことは合法的な話です。
しかも、そのコンサルティングフィーの使途というのは
普通はコンサル会社が決めることであって、
コンサルフィーを支払う側がとやかくいう性質のものではない。
つまり、JOCがコンサルフィーの使途を「知らない」のであれば、
これはよくある話なので合法的に処理できるというわけでしょう。

まとめます。

・JOCが賄賂に使われると知っていてコンサルフィーを払ったなら非合法。
全く申し開きできない話になり、日本の信頼は地に落ちる。

・JOCが具体的な使途を知らずにコンサルフィーを払ったなら合法。
逆にIOCの腐敗が明らかになり、かつ非合法な使い方をした
ブラックタイディングスふざけるな、という話になり、
日本に同情の余地が生まれる。

もっとわかりやすく言えば、前者なら悪いのは日本。
後者なら悪いのは世界、ということになります。
今はまさに上記のどちらのシナリオが真相なのかが
捜査されているということですね。

この2つのシナリオの白黒を左右するのは、
実はかなり恣意的であるという点には要注意だと思います。
つまり、JOCが「使途など知らない」としらばっくれれば、
これは世界が悪いということになるので、
白黒を決める全てはJOC、つまりは竹田さん次第ということです。
ですが、恐らく竹田さんはここまで書いてきたことを
全て把握していることでしょう。なので、竹田さんは
後者のシナリオで「使途を知らない」と言い続けるしかないのです。
そうすれば、悪いのは世界であって、日本はやはり誠実な国だ、
という結論を導くことができるからです。

なのですが、非常に厄介なのがゴーンの拘留。
これまた世界政治の常識ですが、
やられたことをそのままやり返すというのが世界の常識なのです。
つまり日本政府のゴーンの処遇次第では、
フランスは竹田さんを悪人に仕立て上げることが可能です。
そうすると、日本を含めた世界中の世論が前者のシナリオに傾き、
日本はなんて酷い国なんだ!という日本バッシングが始まります。
ロシアも韓国も、ここぞとばかりに日本に攻勢を仕掛けるでしょう。
そうすると、もともと勝てた戦いだったはずの
日韓の諸々のゴタゴタですら、慰安婦、徴用工、レーダー照射、
一つも勝てずに日本は完敗することになります。

私は、もちろん賄賂は悪いことに違いないですが、
オリンピックを招致するための世界のルールがそうなっている以上は、
ルールに従うのは止むなしだと考えます。その上で、
上記に記した後者のシナリオで、完全に合法的にこの世界ルールの
不誠実なところを克服しようとしているやり方は、
一番正しい判断だと思っています。

さて、電通です。まず、そういう危ない人脈を知っているというのが
やはり電通の恐ろしいところだなと改めて感じざるを得ません。
また、もう一つ興味深い金の流れがあって、1で述べたように、
電通はクライアントの課題解決を社業としているので、
例えば東京にオリンピックを招致する、というお題の時は、
一括でコンサルティングフィーを受け取り、
手数料を自分の利益にした上で、ブラックタイディングスに
支払うという方法が普通だと思うんですよね。
ところが、今回はそれをしておらず、お金の流れとしては
電通を全く通っておらず、JOCからブラックタイディングスに
直接お金を支払っているんですよね。普通に考えれば、
電通がブラックタイディングスを紹介したのだとすれば、
紹介料ぐらい、手数料としてJOCから受け取っても良いところです。

ですが電通はそれをしていません。
つまり、汚そうなお金には一切手をつけていないということです。
これは個人的には凄すぎなリスクヘッジだと思います。
紹介料すら貰っていないことで、公式な紹介ではなく、
非公式な紹介のような印象があります。というか紹介料を取らない
紹介というのは、ビジネス的には紹介ではありません。
そうすることで、何かあった時の責任はJOCということになりますし、
そもそも汚いお金には一切手をつけていないというのが動かぬ事実なので、
実態はどうかわかりませんが、コンサルフィーの使途を知らないという
前提に立てば、電通は完全な白としか言いようがありません。
その前提ならJOCももちろん白ですが、電通はJOC以上に白です。

3のまとめ、4で書きます。

4:最後に

3をまとめます。
ちなみに忘れてるかもしれませんが、
長々書いたけど全部推測ですからね笑
以下に、推測をまとめます。

まず、日本は世界に比べて非常に誠実な国です。
オリンピックを東京に招致するというゴールを達成するために
非合法に満ちた世界のルールに従う必要がある局面でも、
「使途は知らない」と言い切ることで、合法的にゴールを達成しました。
「使途は知らない」という前提に立つことで、JOCも電通も完全に白です。
というか、はっきり言って、悪いのは強欲な世界の連中で、
そいつらが世界のルールを作ってしまっていることでしょう。
糾弾されるべきは本当はそいつらであって、絶妙なバランスで
合法的に仕事を進めてきた日本の皆さんの判断は尊重されるべきです。

ところが、世の中には、というか特にネットの世界には、
どうしてもJOCや電通を悪者にしたいという本能から
逃れられない人達がいるようです。それ自体は自由なんですが、
今回に関しては、仮に上記の私の推測の確度が高いとしたら、
JOCや電通を黒にするということは、それはそのまま
日本を黒にするということを意味することに気付くべきです。
そうなれば、もう日本は、明らかに嘘を連発する韓国という
本来であれば弱っちい国でさえも、全ての案件で負け、
日本は世界から悪者にされ、慰安婦問題でも負け、
人道的にもクソな国、という烙印が確実に押されてしまう、
ということです。世界では人道性が今はブームになってますので、
ここで負けてしまうと日本は世界で最も軽蔑される国になります。
韓国に限らず、日本には何もしても良い、という風潮が
世界に生まれることは避けられないでしょう。

ネットの住人ならまだしも、日経新聞のような新聞の中では
比較的まともな新聞でさえも社説で日本を黒に見せていこうという
動きがあることは本当に残念です。
もうちょっとちゃんと取材した方が良いと思いますよ。

信じる、信じないは、あなた次第。